水回り(台所・洗面所編)

前回は住宅改造の廊下・各部屋でしたが、今回は水廻り(台所・洗面所)について取り上げます。

今回の場合も前回同様対象となる人の状態により対策に差がありますから、実際に新築・増改築を行う場合設計者・施工者・理学療法士と本人・家族とで綿密な打ち合わせが必要です。ここでは、一般的な方法のみ掲載します。

まず、台所で最初に問題となるヶ所は食卓と流し台だと思われます。後、食器棚収納庫等色々ありますが、食卓はまず大人に合わせてあるので子供には少し高めになり、又介護の必要な人も障害の度合いにより変わってきますが、後車椅子利用者には車椅子や食卓の高さが問題となります。

食卓廻(食卓・椅子)
対処方法 利 点 欠 点
高さ調整の出来る椅子・食卓を使用 介護が必要な人も個別に高さ調整が可能
椅子は子供がかなり大きくなるまで使用でき子供毎の高さ調整が可能
車椅子利用に関しては食卓の高さ調整をする事により車椅子毎の高さ調整が可能
購入費はかかる
附属(使用中)の椅子に改造する クッションを入れる、補助座面を入れる等、家の中にあるもので良く購入費等はあまりかからない クッションを入れる、補助座面を入れる等、椅子に乗せる物がズレたり落ちたりはずれたりする
椅子に別にテ-ブルを用意 配置等に気を使う必要があまり無く費用も少なくできる 椅子に付ける為場所が小さく子供が大きく成ったり介護の必要な人や車椅子の人にも同様に場所が小さく利用に多少無理がある
専用の食卓を用意 障害や介護の度合い、子供の大きさに合わせた食卓を用意でき場所も椅子に付けるタイプより広く取れる 家族が子供と大人や介護の必要な人と必要ない人に分かれてしまいあまり良い方法とはいえない。あと介護の度合いや子供が大きく成るにつれ合わなくなる為買い換えが必要又複数の子供や介護の必要な人全てに合わす事は無理があり費用が掛かる

等の処置をする事で改良できる場合があります。

次に流し台ですが、これも身長差により使用勝手が違うので高さの基準を出し難い場所です。現在の流し台の高さは床面から85cm程度なので身長が高かったり低かったりすると使い辛い物になります。家族や設計者・工務店で良く相談する事が必要な場所です。

新築と改造でも同様ですが、誰の高さに合わせそれ以外の人にはどう利用するか考える必要があります。基本的に車椅子利用者が居る場合はその人を基準に考えた方が良いでしょう。 

対処方法 車椅子利用者 自立出来る障害者 障害のない人
新築時
改築時共
車椅子が付けられる高さで下に邪魔になる部分がない物を選定する。
高さは車椅子が下に入る高さとなる。
他には高さ調整が出来るタイプの流し台を選定する
高さ固定式の場合障害の無い人と同じで主に使用する内一番高い人と障害者の身長を比較し差が無ければ合わせて高さを決定する。この時障害者が低ければ障害者の身長により決定する。
他には車椅子利用者欄と同様高さ調整の出来るタイプを選定する。
高さ固定式の場合流し台が低い人には流し台の前を5~10cm程度低く下げる方法を高い人には高く上げる方法を考える。
一般的には主に使用する人のうち一番高い人に合わせて選定しその人より低い人には流し台前に台を置き高さを調整する。
上記で設定した以外の対処及び問題点 上記で高さを決定した場合高すぎる人は台を使用し低すぎる人は椅子等を利用して高さ調整をする。
高さ調整できる流し台は昇降に時間が掛かるのと品数も少なく故障の問題もあり、又流し台の面している壁の開口部高さなどの影響を受ける。
左記と同様。 左記と同様。

高さ調整の出来る流し台も万全の策とは言えませんが、使用する人それぞれに合わせることが出来て余分な出っ張り等もなくかなり有効な方法といえます。

次に洗面所内の洗面台等ですが、これも台所の流し台同様各使用者の身長差を考慮して基準高さを決めて、これに合わない人様に改良する必要があります。方法は台所流し台と同様です。又洗面台にも昇降するタイプがありますが、やはり昇降時間や故障等の問題を抱えています。しかし流し台同様人一人一人に会わせることが出来て、余分な出っ張り等もなくかなり有効な方法といえます。

後、台所・洗面所共、収納家具や収納スペ-スがかなり出てくると思われますが、家具等の設置方法や場所高さもきっちりと検討する必要があります。誰に合わせて他の人はどう対処するのか考えるべきです。

台所・洗面所共水周りであり他の部分と違い特に費用が掛かることは避けられないので、十分な比較検討が必要となりますから注意して下さい。

最後に前回も書いていますが、木造住宅の場合構造的に抜けない柱や壁が多く有り、事前の調査打ち合わせが大事になりますから、十分に行って下さい。

以上で水廻り(台所・洗面所)編を終わります。次回は水廻り(浴室編)です。

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